三月

   言葉にはならず善意の齢を読まれ


   強情が通りバツクは荒い波


   恋はよごれパフ早春をたたき出す


   友情の拳に太陽は燦々


   障子白くひとりの味の齢を数え


   灯にさからう絵皿の翳を愛すなり


   春泥に逢えてかなしき絵看板


   声援を遠く意識す星をちりばめ


   春炬燵人を逝かしめさからわで


   ドンデン返しに濁流は胸毛をもよごせ