1962-02-01 二月 月々の句 のがれたつもりの死声が追つてくるよ 聞き捨てならぬ言葉死が宙に浮く いたずらに死を動かして齢の阿呆 大きい死口説の果てか枯野の果てか めでたがる死よ心の花火あがつてくる わかれを惜しみゆく死遠くのざわめき 全き死の顔に春の月を置いて 短かつた死冬将軍は振り返れ 死のたわむれと人は言う嘆きたがわず さよならの死のやすらけきこちの重たさ