1961-05-25 五月 月々の句 たゞに住むここよりよきを念わずと 一矢酬い得てしらじらと壁は塗られ みずからを衝つゆとりあることの横顔 翳を拾いこころの傷に目覚めたり バーの止り木に明日知る顔をのがし はげしき山真向いためしゆく日頃 腹這いのここに敗北感を沈め 酒を喰らいおのれの底の陽あたりよ 越す山はあれと枕のよごれさえ 縮図さらしひよつとこおかめはずさない