1961-01-25 一月 月々の句 倍増論いびつな夢をかきくどく ダミ声の政治見事なふところ手 革新保守ひとりの道を突き放し 言いのがれ来て両翼のいびき伝わる ひれ伏すとき組織の底鳴りを聞くか 小商人の労働に喰らいつく凱歌 小羊よたかぶれる泥靴を見送り 背景のものの怪にふれしめる会話 主義の歓喜に応えしは月のめぐり ひた隠し合う横顔のじれる世ぞ