十一月

   酔えばかなしきうた聞かす老い給い


   見えぬ炎人生きるとき頬を照らし


   警棒のよごれひた〱時動く


   代議士の目方へ国の軽からず


   党と党合わない道で肩いからし


   話し合い傷拭く顔に乗つてきた


     東北への旅

   国なまり聞きほぐす目と親しまれ


   松島にまかす詩心のおのがじし


   瑞巌寺潮香の暇もありとせん


   東北の酒よ追われる身でなしに