1960-09-01 九、十月 月々の句 一合の名のふるきこと酔いゆけり 倚らば大樹ふつゝかな酔い許すなり 憂きことの消ぬべき暇は酒あたゝめ 酒のうたしずかに時の流れ拒まず 酔いかなしいのちの大事はなたれな ものゝふのむかしの酔いに比すべきなく 妻をいじめることとなり酔いを收め 子に継ぐべき酔いめでたかりいまだ若しと 小心の愚かさ酒に敢えて克たん いさゝか盃をふゝみ生きの間を縫う