七月

   山彦にこゝろの救い得し人と


   疑いを抱くこの酔いを憎しとか


   湧きあがる望みこゝろの前をかすめ


   笑いためらわずこの家に住むことぞ


   二つの闘い縫うべきいのちありとする


   生まれ来て遠くの山は語るなれ


   鐘鳴らし傷つくひとを数えゆくか


   既に過ぎ去る言葉たり涙ぐみ


   夏の酒罪は真赤な夕陽をかぶり


   いちまいの画のなかに栖みひと日ひと日