1960-07-01 七月 月々の句 山彦にこゝろの救い得し人と 疑いを抱くこの酔いを憎しとか 湧きあがる望みこゝろの前をかすめ 笑いためらわずこの家に住むことぞ 二つの闘い縫うべきいのちありとする 生まれ来て遠くの山は語るなれ 鐘鳴らし傷つくひとを数えゆくか 既に過ぎ去る言葉たり涙ぐみ 夏の酒罪は真赤な夕陽をかぶり いちまいの画のなかに栖みひと日ひと日