1960-06-01 六月 月々の句 人を死なす山ならで山そこで応え 聞き分けてゆく眸を拾う向うに山 こゝにあるやすらぎなれば呟かせ 人のふところに入るいやしさをかいま見し デモを見過ごしひとりの平和さびしかり デモに参加の子の便り隔たるか ひと知れずこそ祈る日を得たるなり 朝の目覚めはせつなき想い繰り越され いみじくも死を語る誰も奪わず 靴拭いて生きの闘いゆかしめる