五月

   マスコミという造形美術の花火があがり


   警棒のあわれデモに浮き日本が通る


   世論ひしめき気弱さを責めてくる


   新聞の色分け意識してこわばり


   ダミ声の悲愴感日本を泳ぎ


   乾き切つた闘いのマネキン歩くなり


   小鹿の群吹き溜る署名強いられ


   文化人政治の垢と自分の垢


   強引な貌ばかりこの身ひとりぼち


   はら〱して共通の場を画くのみか