1960-05-01 五月 月々の句 マスコミという造形美術の花火があがり 警棒のあわれデモに浮き日本が通る 世論ひしめき気弱さを責めてくる 新聞の色分け意識してこわばり ダミ声の悲愴感日本を泳ぎ 乾き切つた闘いのマネキン歩くなり 小鹿の群吹き溜る署名強いられ 文化人政治の垢と自分の垢 強引な貌ばかりこの身ひとりぼち はら〱して共通の場を画くのみか