三月

   白壁のせつなく重く元くるわ


   つきつけるマイク日本の過去癒えてか


   子の涙空に光つてのぞみ持つ


   白髪美しや情熱の鎮もり来


   言葉あやしくなりひら〱と鳥飛び立ち


   大物の明日を倒さんとしては眠り


   正直の肩敢えて濡れ灯に雨に


   枯野つゞき喪にある人を描かしめ


   残雪にあくまで遠き人とせむ


   雀着ぶくれふるさとの暇あれと