1960-03-01 三月 月々の句 白壁のせつなく重く元くるわ つきつけるマイク日本の過去癒えてか 子の涙空に光つてのぞみ持つ 白髪美しや情熱の鎮もり来 言葉あやしくなりひら〱と鳥飛び立ち 大物の明日を倒さんとしては眠り 正直の肩敢えて濡れ灯に雨に 枯野つゞき喪にある人を描かしめ 残雪にあくまで遠き人とせむ 雀着ぶくれふるさとの暇あれと