1960-01-01 一、二月 月々の句 消ゆるもの消ゆべしと思いしは昔 一人去りゆく死の言葉選ばずに 遥かなるものならでそこに息付く親しさ 道はつゞくときに水の味深かれや 人生きてたしかなる目をぶらさげゆく 言訳をふくむ墨の香冬知つて 寝に返る愚かさはあれひとりずつ 言葉の裏に縋る気弱さが映り 大河許すここに傷つくひとを残し うたさがす満ちくる潮まかすなり