十二月

   酒をふくむいわれなき夜を創りゆく


   ひそかに酒のたわむれのいのちを想い


   酒たしなみ傷つけるものひとりならず


   軽さ重さ静かに道をゆくばかり


   ひとつ越えむかしの唄が拾わるゝ


   遠くなりゆく人たりし顔を洗う


   齢のかそけさなだらかな山がこたえ


   時のちからの底にふるき言葉を撰り


   のぞみ持つ眸に吹雪せよ山また山


   このうたのはげしくもまた短かかれ