1959-04-01 四月 月々の句 眸を読まれじと春雨に置く言葉 いちにちの闘ひといふ手を洗ひ 胸の勲章を描き互ひに克ちし 刻む時計刻む生命にまぎれゆく 知ることの難きひと日をまなかひに 果てもあれとやゝに疲れし酔ひを待つ いづれともなく俗臭の酒を喰らひ ふるき人間の底だつたいつしよに眠ろ 子が酌いでくれるかなしさよ しばししばし ずらり子の大き愚かな父の夢を覚ます