1958-12-25 十二月 月々の句 雪消ゆるせつなさ想い並ぶなり 遠くおもふふるさとならで月新らし うたゝ寝やかゝる小さき廻り道 人の子は片付くほどと思ひやり 食ひ足らぬ言葉で終り睦まじうや 人間のみにくきがゆゑ雪を歩き 子のための金とは胸にうちひゞき 冬の死の山のむなしさ仰ぎゆく 中老の祈り静かな寝息たれ