十月

   昼の酒都会に一人ぽちとなる


   降りてくる星あり媚びるあはれさに


   たゝかひのうらに風持つたしかめる


   むかしむかし夢ありとしてうちかさね


   おしやべりのまことかなしや飯を炊く


   厚き壁ありライバルを焼き付ける


   表情のかたさ指環がにぶく光り


   いとしくも知性の底の言葉たり


   ゆくりなく物の怪にふれわが枕


   谺するかきびしき冬の死を読まれ