1958-05-25 五月 月々の句 ひとつの舞台 線たるませ言葉の裏置いて来た 線ピンと張り合ひ生きる眸を読ませ 線が喋り線がこだはる暗い月 赤い線と青い線そのうたげを許し 気弱い線がおちて昔噺を聞かず 交はらぬ線のどこかで揚がる雲雀 垂れてくるあつちの線の匂ひをこめ 水を欲す互ひの線の響き響く 線がからみあふときの夕陽を見よ 終ひの栖あれやおのがじし線を寝かし