1958-04-25 四月 月々の句 子を遠く置く齢なれやゆくりなし たゝなはる山いくつかは生きを明かし ほど〲に息を合せて眠たがる 生れ来る言葉自分をふと支へ 敵を愛する遠くで帽子脱ぎながら 闘ひはそこで終らず持ちこたへ 嘘からみ合つて苺がつぶれずに 静かな時を持つ願ひ近かれや 長い旅路胸にたゝめるこのひそけさ 弱さふりかざし勝ちたき眸を拾ふ