1958-01-25 一月 月々の句 なりはひの底をもたげてのぞく子よ むかしむかし気弱き群もありけらし たまゆらの胸のあかりを欲しがつて かの便り夢もわづらふ齢とある ひとつの運命ふたつは追はず燃えるなり 苦労して生きる掟の匂ひする かちどきは嗜虐をからみ行きに行く 光背へ貧しきこゝろふと置いて 向き向きにたゆたふ色を瞼にし 炎えきつて敗者の詩あり起つべしと