1957-10-25 十月 月々の句 ふるさとの水わが智恵の底に沁み 墓はいくつも並び夢はひとつづつ 憐れみを乞ひ得てうしろからの月 わらべ唄涸れゆく想ひ支へたり また夢を重ねかの夢消しがてに ほろ酔ひの安けさに来るわがまこと 月に雫あれ告白がとぎれゆく 道はひとすぢ生きの身のたかぶりや 覚悟して脱ぐ悲しみが流れくる 堕ろすまで順序があつて眉を濃く