五月

   二つのながれ時の流れに拍手する


   罪意識せず国論を見ておはし


   尖ンがつて来た窓を開けても騒音


   真つ赤な太陽に溺れゆくよ闘ひの雫


   貧しさといふ剣を磨くそして磨き


   やは〱と困らせにゆく道を選び


   裏切者底の暗さの月をのぞく


   スパイ起つ盃はいま透きとほり


   民話そのたとへが利かず寝をわかち


   いそ〱と夢をたゝんで夫婦たり