1956-07-25 七月 月々の句 近什 沖縄の声の孤独を波が洗ひ 夏の灯も親しクイズに坐らされ うしの日の風もこよなきもののうち 大臣の宿題次ぎの逃げ言葉 すだれ越し小言幸兵衛すき通り 怪談へ恋のやつれの顔を寄せ ニツポンの縮図いゝこと遠慮して 遠巻きのまゝ暴力が移動する つまみ喰ひ汚吏の瞳はせぬ台所 うすものの自分驚くこと知らず 愼太郎打算のパンを磨かばや 原子雲流れる雲をひた押しに