1956-04-25 四月 月々の句 近什 毛並とも書かれ人物論で足り 越ゆべきを越えてをとこに棲んでやる いぎたなく坐り指環に想ひなし 閨怨のまさぐる指を仕舞ふなり 滅びゆくものゝ祈りにおちこんで 死はやすからず青空と子の顔へ 誰も其処には居ない生きてくる言葉 夜のためのからだにもなる思ひやり ほころびに似てこの酔ひをたのしむか うらぶれのおもひは月へひつかゝり