1956-02-25 二月 月々の句 近什 冬将軍山肌にふれ遠きを見る 年寄りの涙よごれて泣くにあらず 週刊誌蒼白き夢そして寝る 女の手ながらふ水に灯がはひり ゴムバンド手首に忘れ春よ来い のしかゝる習ひづつしり米俵 時を知る膝で疲れもたのしまれ 拾ひゆく齢のかそけき雪が降り 振返る道とし思ひ夜の酒か 一枚のいのちに足りてさからはず