一月

     近什

   ボデイビル母のかろきを詠はずに


   幻影の城いま消えず人気者


   鼻声の恋の雫が飛んで来た


   キス昇天男がてれる細い首


   美男美女重たい雲がのしかかり


   新顔の涙は甘くなく夜空


   不思議なく酔ふやすらぎを抱いてやる


   人間のすがる歌あり強がらず


   ふるさとのこゝに栖みつく名を書いて


     合唱団巡演ともなれば

   ウインの子旅のお菓子に口開いた