八月

 毎月各地から僚誌をいただいている。ぐっと部厚いページ数の多い有力誌にはただただ頭が下がる。
 表紙の数度刷りの豪華さ、きちんと特色の顔が出来ている実質さみんな一所懸命だなと敬意を表しおのれのちっぽけさが恥ずかしくなり、何とか内容に斬新味を出そうと心掛けてはいるものの、あまりパッとしないのがさびしい。
 毎月の雑誌を一年分綴るとか、書架に並べて必要な記事がすぐ分かるカードをこしらえておくとか工夫した分類をしている方もあるだろう。
 先ずどこで大切に保管してくれるか、それを考えた揚句、図書館の承諾を得て大部分寄贈した。昭和の初めから最近号まで書架に収まっている。
 これは発行所ごとに類別して年代にまとめ、記事目録までに及べば便宜だろうと思う。まだそこまでは完全でないが、漸次整理してゆく約束が出来た。大変な仕事だが是非やり遂げてくれることを待っている。
 拙誌は古川柳文献として創刊号から掲載する志向があり、これは専ら揺籃時代、麻生路郎主宰「川柳雑誌」に刺戟されたのである。拙誌の古川柳記事を号毎に摘記し分類をしている傍ら、入手出来た諸柳誌から同じように着手して目録をこしらえた人がある。
 それは静岡県の「季刊古川柳」発行者の清博美氏である。ここに「雑俳川柳研究文献目録」(1)が出来た。A4判五百十頁。
 京都帝国大学国文学会、国語国文 昭和七年二月 川柳新釈1 糸岡正一、至文堂 解釈と観賞 昭和十四年五月号 川柳の観賞と主張と動向 田中辰二、また学燈社の国文学とつづく。
 やなぎ樽研究、古川柳研究、古川柳、川柳江戸文化、近世庶民文化、江戸紫、川柳文芸、ひるご、江戸川柳、全国古川柳研究、など古川柳研究専門誌が並ぶ。
 現代川柳誌をのぞくと、番傘大正八年十月号 柳翁に就て 渡部虹衣、川柳きやり 大正九年五月号 川柳歳時記1 川柳雑誌 大正十三年五月号 松ヶ丘の狂句阪井久良岐、川柳しなの 昭和十二年一月号 古川柳の時代相 阪田風谷など多彩万載。