四月

   黙ってついてゆける日をくりかえし


   描かれる人物消されまたせめぐ


   差し支えない話に落ちている逃げ場


   貪欲に生きるとけなしそれっきり


   老いの一徹のおかしくも身を馴らし


   見事にこの真っ直ぐな道 頭を下げる


   譲れないまま花冷えにまかすとき


   迎え撃つごとき姿になりますし


   くらぶべくもなき凡庸を曳いて来た


   友の訃の花一片を重たがる