十一、十二月

   寝酒をふくみ收めゆく怒りにならず


   五十を聞き当て振り向けばさら〱雪が


   そゞろ短き人の世を思いたしかに住み


   手をとり合うことにかまけては酔いゆく日


   ことばにならず月の冷え辺りに来る


   底冷えのしく〱と泣く昔語り


   聞きすごしゆくこの齢のたわいなや


   かばかりの酔いに置かれて温かし


   去る年来る年はら〱と夢かけあがり


   齢を貰いこのさみしさは歩き出す