1961-11-25 十一、十二月 月々の句 寝酒をふくみ收めゆく怒りにならず 五十を聞き当て振り向けばさら〱雪が そゞろ短き人の世を思いたしかに住み 手をとり合うことにかまけては酔いゆく日 ことばにならず月の冷え辺りに来る 底冷えのしく〱と泣く昔語り 聞きすごしゆくこの齢のたわいなや かばかりの酔いに置かれて温かし 去る年来る年はら〱と夢かけあがり 齢を貰いこのさみしさは歩き出す